この度、当社スタッフ(ロープアクセス技術者)1名がMTレベル2資格を取得しました!(※令和7年10月1日認証予定)

ロープアクセス技術を用いることで、高所はもちろん狭隘部などのアクセス困難な箇所についても、足場・高所作業車を用いずに低コストで非破壊検査を行うことが可能となります!

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非破壊検査技術(対象物を破壊することなく、試験体の欠陥や劣化の状況を調べる技術)には様々な試験方法がありますが、磁気探傷試験Magnetic Particle Testing)は鉄鋼などの材料(=磁石に吸着できる素材)を磁化し、磁粉剤を散布、その模様を観察することで肉眼では見えない微細な表面きずを高精度に検出する手法です。

磁石のまわりに砂鉄を置くと、模様ができる様子をイメージすると分かりやすいですね。

MTで検査を行うと、健全な箇所では磁粉が均一に表面へ吸着する一方、きずのある箇所では、その形状に沿って磁粉が付着し、きずの見た目を拡大して検出することが可能になります。

MT実施前の亀裂疑い(塗膜われ検出)。肉眼では判別困難なのが分かる
MT実施後の様子。溶接部付近に蛍光色の濃い線が見える。亀裂が発生しているのが一目瞭然。

橋梁に関していえば、特に鋼橋の鋼材は、交通荷重や温度変化、経年劣化によって 疲労亀裂 が生じることがあります。こうした損傷は肉眼では判別困難なケースが多い一方、万一亀裂を見逃し、損傷が進行したような場合には落橋などの重大事案に直結しかねない事態となります。

そこで磁粉探傷試験を用いれば、通常の近接目視点検では判別困難な細かい亀裂を高感度で検出でき、検査結果が「その場で目で見える」ので、迅速に判断を下すことが可能となります。

MTに必要な道具

非破壊検査と聞くと、実験室などでの大掛かりな設備で行う様子を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。MTに関しては、持ち運び式機器(ハンドマグナ)やブラックライト、磁粉剤などの携帯可能な最小限の装備で正確な検査を行うことが可能です。

ハンドマグナを用いて橋梁の鋼材を磁化している様子(当社資料より)

ロープアクセスでMTを行うメリット

大規模河川上でのMT実績例。

橋梁を例にとると、疲労亀裂は次のような箇所に生じやすいといわれています。

  • 溶接部 (主桁と補剛材の溶接端部、添接板溶接部)    
  • リベット・高力ボルトまわり
  • 補剛材端部や切欠き部 (応力集中が大きいところ)
  • 横桁や対傾構の溶接始終端

こういった箇所はアクセス困難な狭隘部であることが多く、場合によっては検査を行うための足場を設置するなどの大掛かりな下準備が必要となるケースがあります。

そこでロープアクセスを選択することで事前に足場を組んだり、交通規制をかけて高所作業車を用いたりするなどの必要がなく、すばやく検査対象に接近可能。低コストで正確な検査が実現可能となります当社でMTを行うなら必要な装備は車1台分!軽快に作業現場まで向かい、どこでも作業可能です。

こ線橋での夜間点検作業の様子。足場の設置など事前準備が困難な現場はロープアクセスが最適!

また、MTレベル2有資格者のロープアクセス技術者がいることで、当社内で一貫して試験の実施や結果の評価が可能です(※レベル1のみでは上位者の指示のもとで基本的な検査業務しか行えず、試験結果についての判定が行えないなど権限が限定的)。

まとめ

MT(磁気探傷試験)は鋼材など磁石に吸着する素材に生じた微細な欠陥を調べるのに最適

検査に必要な道具は携帯可能。

ロープアクセス技術を用いることで、アクセス困難な箇所でも低コストで検査が可能。

レベル2技術者がいることで検査の実施はもちろん、検査結果に基づいてその場で判定を行うことができる。

橋梁点検以外にも、鉄塔・プラント・港湾施設などでの鋼構造物での作業はもちろん、点検車の搬入が困難な僻地における徒歩範囲での作業なども行います!

当社にはMTのほか、浸透探傷試験(レベル1)有資格者もいます。その他非破壊検査についても対応可能です。まずはお気軽にご相談ください!!